「こどもには同じ絵本を何度も何度も読み聞かせてあげるのがいいよ」。
園長先生が教えてくれました。
「絵本を読み始めたら『あ、これはもう知っている』とよそへ行ってしまうのは、読み聞かせかたに問題があるから。飽きっぽいのは、次から次へと新しい絵本を与えるからだよ」。
1冊の本からどれだけ楽しみを引っ張り出せるか?
そう思って眺めてみると、絵本って開くたびに新たな発見がたくさんありますね。
寝る前のひととき、今日も小僧さんと一緒に布団にもぐりこみ、絵本を開きます。
今のお気に入は「ぐりとぐら」。
ぐりとぐらが森の中で大きなタマゴをみつけて、カステラをつくるお話しです。
最初のページを開くと?
「なねずみの(野ねずみの)、ぐりとぐらは、おおきなかごをもって、もりのなかへでかけまちた」
もう暗記しています。
おいしい匂いに誘われて、森の中の動物たちが集まって来るシーンが大好きです。
「わーお友達がたくさんだねー!」「わー!」
「たろーはどこにいるの?」「ここ!」小僧さん、今夜はうさぎさん。
「ママはどこ?」「ママここ!」ママはその隣のかたつむり。
「パパは?」「うーん、これ!」パパはライオン。
「Mくんは?」「Tくんは?」
「えんちょうはどこ?」「ここ!」なぜか園長先生はいつも大きなゾウさんやワニさんです。
小僧さんと二人でドキドキしたり、クスクス笑ったり泣きまねしたり。
「寝かしつけの時間」ではなくて「絵本の世界で一緒に遊ぶ時間」ですね。
ところで、『絵本の定期便』というのでしょうか、月に2冊くらい自動的に絵本が送られてくるしくみがあります。パンフレットを見ると素敵な本がたくさん。確実にいい本が送られてくるのでしょう。
だけど園長先生、こどもはこんなにたくさんの本を必要としているのでしょうか?
「いやだわー。本屋さんに行って手に取って開いてみて、『今のこの子にどんな絵本が必要かな?』と考えながら選んであげてください」。
「今、この子に必要なものはなに?」
とても大切な問い掛け。
いつでも、心をしっかり、そこへ向けていたいと思います。
それは、絵本を選ぶ時だけではないですね。