シャロムの自然農体験教室『農楽舎』。講師の山口さんの第一の教えは「その土地に生えている雑草をよく見ること」。
春の暖かな朝、畑にはハコベやオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ナズナなど野の草花がいっぱいです。「雑草こそが指標作物」。ナズナが生えているならアブラナ科の野菜が育つ土地ということ。「ハコベって食べられるんです、美味しいですよ」。それは、この土地が食べられるものを育ててくれるということ。「よく見れば、雑草が(野菜の)種の蒔き時も教えてくれます」。
小さな茶色いバッタが飛びはね、テントウムシの赤い背中がチラリ。
山口さんは土で汚れた長靴をドンと踏みしめ「この足の下に何億もの微生物がいるのです」。草を刈ると土の中から幼虫やミミズ、フワーッとたくさん蜘蛛の子が出てきました。「蜘蛛の子を散らす」とはこういうことか!
この写真はもぐらの穴。土の上にも下にも豊かな生態系ができています。「微生物や小動物たちが土を作ってくれます。いい匂いだー、かいでごらん」。子どもの頃にかいだ、懐かしい匂い。
自然農とは、この土の力を頂いて野菜を作るということなのだな。
みんなつながっているのだな。
ふと、先月の保育園の卒園式を思い出しました。園長先生は泣きながら、ほとんど叫ぶようにあいさつされました。3.11があって動揺した1年だったこと。そして「空も、海も、みんなつながっているんだー。つながっていて、うまくいっていたから、今まで幸せにやってこられたんだー」。そう実感したと。
大切なことに気づかされる日々です。(つづく)