しんこきゅう

2012年4月29日 / しんこきゅう

自然農体験3―聖域ということ―

 

 

畝(ウネ)とは野菜の種を蒔くところ。野菜のベッドです。

シャロムの畝は一面野の花に覆われていますから、本当に柔らかそうな可愛らしいベッド。

 

4月の『農楽舎』、メインイベントは畝作りです。

 

雑草の中で野菜を育てるといっても、畝を作るにはまずは雑草を全てノコギリガマで刈り取るのだそう。雑草を刈って脇へ除けたら、シャベルで両側に溝を掘ります。掘った土は畝に積み上げ、シャベルでなじませる。次に鍬で細かく刻んで、奥の土と表層の土を混ぜてから(掘り返さない)、鍬の背で押して鎮圧。ふわふわのケーキをたたいてガチッとさせるわけです。最後に先ほど刈った草を全体にかぶせて完成。

 

結構真剣。青い葉っぱが混じっていたら手で取り除き、土の塊はほぐします。鍬で上から押して鎮圧する作業は、生徒たちがやった部分はデコボコになり、山口さんが後から全てやり直しました。

 

終わってみたら「一度作った畝を、半永久的に使います」という言葉にびっくり。

 

体験教室には子どもたちも参加。5人がウロウロ走り回っていました。誰かが「お腹が空いた―」と言うと山口さんは「その辺の野菜ちぎって食べといて!」

小僧さんもカキナの葉っぱをムシャムシャ。

 

のどかな空気ではありますが、時折山口さんから「畝の上に乗ってはいかんよ!」と厳しい声が飛びます。

 

ああ、これが伝えるということだなーと思った。

 

畝というのは、農業をする人にとって精根こめて作る聖域なのですね。遊び半分でその上に乗るのは許されない。

 

大人の都合で「こら!」と怒ったり、大人の社会が作り出したルールを子どもに押しつけるような「やってはいけないよ!」とは違うものだなと思いました。

 

「ここは俺の聖域だから踏み込んではいかん」。

2歳の小僧さんにもちゃんと響いていたようです。(つづく)