しんこきゅう

2012年7月20日 / しんこきゅう

感動を横取りしていた

 

 

「ユータロー!」

呼ばれても知らんぷり。

何度呼んでも、聞こえないふりで遠くを見ている小僧さん。

 

保護者会で話してみると園長先生はニヤリとしました。

「聴きたくないんでしょうね。彼は今、頭がパンパンですよ。詰め込みすぎたね」。

 

わが家は本当に旅行が多くて、園長先生はそこが気になるようです。

「私は、子どもが小さかった頃は旅行先を二つ三つに決めて、毎年同じ場所に行っていましたよ。ホームグラウンドを少し増やすという感じでしたね」。

うーん難しい。元々旅好きな夫婦だし、私の職業柄もあるかな?

「行く場所を限定できなくても、例えば旅先での遊びのパターンは一定にしてあげるなど、工夫してみたらどうでしょう?」

なるほどー。

 

でも、待てよ。と考えてみました。

 

旅行のせいかな?

違うかも。

 

このごろ私、小僧さんと一緒にいると、もう一度子ども時代を過ごしているような感じがしています。

道端の小さな草花から季節の移ろいを感じたり、空を見上げてみたり。

だから、ついつい感動を横取りしていたのかも。

 

「あ!オタマジャクシに足が生えてる!」

「あ!お地蔵さんだ!」

「あ!タンポポの綿毛!」

 

しかも。

歌や絵本に出てくるものを見つけては「ほら見て」って何度言ったことでしょう。

 

園長先生より。

「2歳から3歳になる時期は分かれ目です。大人に近づくか、子ども時代を謳歌できるか?この年齢は要求すれば何でもできてしまう。知識を詰め込むこともできてしまう。そうすると『コオトナ』ができあがりますよね。そうではなく、今この状態をどう楽しんでいるのか、見守れる親になってほしいんです」。

 

ママの小さな感動は胸の中に。

小僧さんが発見したり喜んだときに、一緒に喜べるように、その時のためにとっておこう。

自然の中のものごとも、言葉で教えなくていいのだな。