しんこきゅう

2012年8月22日 / しんこきゅう

原始を抱いている

 

「ドンドコドーン!」

小僧さん、棒が2本あれば何かをたたいています。

 

段ボール箱だったり椅子だったり、

買ったばかりのバケツだったり。

 

 盆踊りに連れて行っても浴衣や屋台には興味なし。

彼のヒーローはやぐらの上で太鼓をたたくおじさんです。

やぐらの真下に陣取りずーっと見上げていました。

 

以下はある大先輩記者との会話です。

「太鼓は元々何に使われたのでしょう?」

「魔よけとか、神様へうったえることですね。

『喜』という文字に太鼓の『鼓』の字が入っているでしょう。

祈る時に太鼓を打ち鳴らし神様を楽しませるということです」。

 

「2歳の子どもが夢中になるというのは、

太鼓とはかなり原始的な楽器なのでしょうね?」

「そういうとらえ方ではなくて。

 “古代人”が自分の中に生きている、と考えるんです」。

表面を覆っているものは現代文明ですが、

私たちは3000年前の人たちの心とそう遠くないところにいると。

「だから例えば楽器の音色が心に響くのですね」。

 

私たちの中に“古代人”が生きているなら、

“原始人”も生きているのではないか?

 

「私たちは“原始”を抱いている」。

そう思ったら小躍りしたい気持ちになりました。

 

この先は。

太鼓好きな方、言葉を愛する方、

ものごとの深みみたいなことに魅了されてしまう方々へ。

こんなホームページはいかがですか?

 漢字物語『樹』