結婚した男性をご主人とか主人、
旦那さんとかって呼ぶことに
ずっと違和感がある。
女性も然り。
なんで男性が“主人(主な人)”で
女性は“家内(家の中の人)”だったり
“奥さん(奥の人)”だったりするんだろうか。
“旦那さん”もかつてパトロン的な男性を
そう呼んでいたと聞く。
“女房”? “かみさん”?
“妻”と“夫”
それに該当する日本語がない。
『クーヨン』を読んでいたら
“お連れ合い”という言葉が出てきた。
配偶者を意味する言葉で、
夫婦の片方が他方のことを他人にいう言い方と
辞書には書かれている。
なるほど、
耳慣れない言葉ではあるけれど、
相手の夫をご主人と呼んだり、
妻を奥様と呼んだりするより
なんだか平等でいいなぁと思った。
でも一番、個人的にしっくりきて
使っているのは
“パートナー”という言葉
(日本語であったならベストなんだけど)。
そう思っていたら
図書館で借りた『母の友』誌に
文化精神医学の宮地尚子さんが
「パートナーの呼び方」という記事を
寄稿してらした。
ふむふむ、宮地さんは
「お連れ合いさん」「パートナーさん」という
呼び方をされるそうだ。
以下、原稿から一部引用させていただく。
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いずれにしても、すっきりしない。大切な
関係なのにぴったりくる呼び方がないのはな
ぜだろう。夫婦が同等で個別の人間だという
捉え方自体が、まだまだ新しいということか。
もう一つ気になるのが、子どもができると
夫婦の間で「ママ」「パパ」「おかあさん」
「おとうさん」と呼び合う習慣である。
英語では、呼びかけには名前や愛称やハニー
といった言葉が使われるが、文章の中では
あくまでもIとYouである。夫婦がMom(ママ)
とかDad(パパ)と呼び合うことは、決してない。
もちろん英語と違って日本語では、「先生はね」
というふうに、役割で自分や相手を
呼ぶことが少なくないので、夫婦に限った
問題ではないのかもしれない。
中略
パートナーとお互いの呼び方を振り返って
みてはどうだろう。そして、呼び方をときど
き変えてみてもいいと思う。それだけで新鮮
な風が、家の中に入ってくるに違いない。
『母の友』7月号 福音館書店刊
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そうだなー
私、夫に「ママ」と言われたら
「私、ママじゃないわよ」と返してしまう。
もちろんこどもたちにとってはパパとママなので
「パパに聞いてみて」のようには使うけれど、
お互いに呼び合うことは決してないな。
さらには、「●●ちゃんのママ」や
「☆☆くんのおとうさん」などという呼び方より
私はその方の名前で呼ぶことがしっくりくる。
娘の名前+ママではなく、
私はひとりの人間であるのだから
単純に自分の名前で呼ばれた方がうれしいのだ。
それは自分が母になって気づいたことのひとつ。
以上、あくまでも私の考え。
家族の数だけ、人の数だけ、
いろんなスタイルがあるのだから、
それぞれがそれぞれのベストな呼び方でいいと思う。
ただ、日本語でなんとなく口にしている
「ごしゅじん」とか「おくさん」、
または全然違う日常の言葉も
いざ漢字を思い浮かべてみると
いろんな発見があるもの。
日本語っておもしろい。
そして言語はうつくしい。
えらべるほど表現や単語があるって素晴らしい。
そういえば娘たちは家族ごっこのなかで
「ねぇ、あなた」なんて言い回しを使ってるみたい。
昔から変わらないんだなーと思って
おかしくなってしまった。
その一方、
かつては「お母さんごっこ」だったのが
今は「家族ごっこ」という呼び方になったようだ。
その言い方、自然でいいな。