「高知こどもの図書館」へ行ってきました。
ここはNPOが運営している子どもの本専門の図書館です。
赤ちゃんから大人まで誰でも無料で利用できます。
今日は2時間みっちり子どもたちがリクエストする本を読みました。
そのなかで一番印象的だった本は、
「だいちゃんとうみ」 作・絵 太田大八 です。
1918年生まれの作者が幼少期に過ごした長崎でのある夏の一日でしょう。
だいちゃんといとこのこうちゃんは、朝早く漁からかえってきたうたせ舟から
味噌漬けや沢庵と引き換えに魚をもらいます。
小川で川エビを採り、それをえさに今度は海できすや小鯛を釣る。
釣った魚を刺身にして、採ったみな貝という貝でみな飯を作る、海辺の食事。
海で遊び、夕暮れにてくてく帰る道すがら、いとこのこうちゃんは小刀で竹のすぎてっぽうを作ってくれる。
そして村に帰ると遠くに一日遊んだ海が見え、「晩ご飯できたよう」とよぶ母さんの声がする。
最後のページはかまどのある居間で、じいちゃん、ばあちゃん、とうちゃん、かあちゃん、そしてこどもたち皆での食事の風景。
そんなある夏の一日。
私を挟んで興味津々で聞いている兄弟。
釣った魚は何ていうさかななの?その鉄砲はどうやってつくるの?
川に入りたいなあ、海で魚釣りしたい、火を燃やしてみたい、それでごはんを作ってみたい。
読み終わって長男(5歳)が言ったひとこと。
「サイコーだね……。」
これは本能なの!?
土と風と海と太陽と植物と虫や動物たちへの彼ら(子ども)の愛着と憧れと郷愁は……!
母ちゃんはとても切ない気持ちにもなったけど、
土と風と海と太陽と植物と虫と動物と子どもたちを信じるよ。
子どもの本がある場所は、大人(かつてのこども)にとってもいい場所です。
(by Satoe Yasuda)