日々生き編集会議

育児に役立った本 その2

 

 

IKEDA(以下、I)「さて、前回の続き。みんなのが面白くて、私、すっかり自分の愛読書を言ってなかったことに、編集会議の原稿をまとめてから気づいたよ(笑)」

 

NAKANO(以下、N)「えー、じゃぁ、忘れないうちに先に言っとく(笑)?」

 

I「(笑)お言葉に甘えて。まずは言わずと知れた、真弓定夫先生の『自然流育児のすすめ―小児科医からのアドバイス』。妊娠中から読んでいて、なんとなく予防接種、ワクチンは打つのは止めたいなと考えてた。そうしたらたまたま入園した保育園の主治医が、あの本を書かれた真弓先生で。本当に驚いた!」

 

ENDO(以下、E)「うちも保育園で真弓先生の小児科を教えてもらって、マオちゃんのうちは6ヶ月検診なんかも真弓先生のところでしてもらったと聞いて、吉祥寺まで行ったな」

 

I「私の食生活や、不規則な生活の結果だろうね、あ、あと長年牛乳大好きっこだった影響も大いにあると思うんだけど、最初、娘は肌が痒そうだったの。湿疹がなかなか治らないから、一生懸命カレンドュラクリームとか塗ってたな。そもそもいくら上から頑張っても、私がおっぱいの質を変えなきゃ無理な話なんだけど。そんな中、真弓先生のところにお邪魔したんだよね。そうしたら「いい赤ちゃんですね、素晴らしい」と言ってくださって。あのとき、後ろめたさもあってずっと張ってた肩の力が初めてふっと抜けたというか、ものすごく救われたんだよね。真弓先生にはずっと感謝している。うちで冷暖房を使わないのは、真弓先生の外気との気温差を5度以内にする、というお考えに則って。あとはみっちゃんも別の本をすすめていた佐々木正美さんの『子どもへのまなざし』も、こどもと暮らすことに力を抜かせてもえらえた本だったな。お友だちにもプレゼントしたよ。さ、長々失礼! ではそろそろお待ちかねの、サトエの話の続きにいこう!」

 

YASUDA(以下、Y)「次男の話だよね。えーと、“東京はいいなー、海も山も川もなくて”って言ったのは、確か父ちゃんが東京行ってた時期で、ひとしきりギャーとか泣いたあとだったかな。私も“そうだねぇ”とか返事しながら、私は私なりにね、大人だからさ、森がなくても川がなくても海がなくても虫がいなくても、やっぱ東京は好きなんだなぁ。郷愁っていうのかな?次男にとっても東京は特別なのかな、きゅん♡とかって思ったんだよね。で、数日後、やっぱりいつも行ってる公園で“かあちゃーーん、ここ東京!?”って聞いてきたの! どっちらけ?とか思いながら“ここ、どこかなぁ? 高知だよねぇ”って答えたら、ポカーンてして“ここ東京だよね”って。“そうかもねぇ〜”って言いながら次は何言うのかなと思ったら“東京もさぁ、端っこに森があるよね。高知も森と山があって、東京にも森と山があるよ。だからここ東京でしょ!?”だって。で、そうか、まだ距離感がないんだなって思ったんだよね。わかっているようでわかってなくて、こういう不思議な言葉が飛び出してくる。6歳の長男になるともいろいろわかってるんだけど、とにかく、そこらへんか、こどもは一緒にいておもしろいよね。感覚。その、のびのびチンプンカンプンやってるのが、親として嬉しい」

 

一同「うん。うん。」

 

E「わかる、わかる。もっと飛んで行けーー!みたいな気持ちになるよね」

 

Y「次男は保育園みたいな集団生活が苦手なんだけど、夕方の公園になると生き生きしてるんだよね。逆に保育園でみんなと一緒に何かをやらなきゃいけなくなると、目が虚ろになっててさ。でも、それもいいのかなーと思って。こどもながらにどこか“なんでみんなでやるんだろ!? 父ちゃんと母ちゃんといつもいる友だちとじゃ、だめなの?って思ってるんだろうね。でさ、次男は毎朝“今日はお休み?”って聞いてくるんだよね。“保育園だよ”って言うと“ッエエエエーーッ!”とかなるんだよね(笑)。受け入れられないモードだと、それだけでびえ〜〜んとかなって、いちいち面倒くさいけど、その感受性っていうかさ、時間も距離もなにもない感じが、今しかない感じで、おもしろい。

 

E「おもしろよねぇ、こどもって」

 

Y「たぶん何してあげたい、何する、よりも、なるべくしないこと。手をどれだけ、なるべくかけないこと。“したいけど、しない”みたいなのがおもしろいかなーと思ってる。親ってなにもしなくても、こどもにとってはすごい存在じゃない。男の子なんて特に“うぉーーーっ”“かあちぁ〜〜〜ん”みたいなさ(笑)。最近、私、すごいガールズトーク、欲してるもん」

 

一同・笑

 

Y「男3人って、カワイいけど、バカっていうの(笑)!? トークがないの、雄叫びだけ。“腹減ったー”“楽しーーい”“寝るーー”とかさ(笑)。もっと他にないの、機微とかって思うもん」

 

I「2歳の娘は、もう本格的に園の先生のおしゃべりを真似してる。ぬいぐるみ相手にね。ストーリーがすごいよ」

 

Y「不思議だよね、男女なんて教えてないのに、自然にそうなっていくもんね。でも今実際に、おとこのをふたり育てて、フラッシュバックのようによみがえり、読んでてよかったと思うのは、『毎日かあさん』と『ああ息子』(笑)。夫のお母さんがプレゼントしてくれて。長男を出産してから既に読んでたんだけど、次男が産まれたときに義母が「さと、これは読んで!読んだ方がいいよ」ってくれて。

 

I「あーそうか、男子2人育てた先輩だもんね」

 

Y「そう。手元に2冊になったから、幼なじみがやっぱり2人目も男の子だったから、彼女にプレゼントしたの。みっちゃんも読んどいた方がいいよ」

 

E「そう、それこそ私も読んどいた方がいいよ、って会社の先輩に言われて、読んだの」

 

Y「だって長男なんて、まさに今、本気で宇宙と交信とかしてるから! ホントなの、書いてある通りなの!「宿題やりたくないと、だんだん目がうつろになって、ピコピコピコーってなってくの。あ!知ってるこれ〜って(笑)。日々、『毎日かあさん』満載」

 

一同・爆笑

 

E「あとあれ、なんだっけ? 遊んでると何かがのりうつって、ひたすら遊び続けるっていうのもあったよね」

 

Y「そうそう。今日も長男に『5時半だからもう帰るよ』『帰るよー』って言っても全然聞こえないみたいで、砂場でずーっと頭から砂かけてたからね…」

 

一同・大爆笑

 

Y「あとはね、日々生きにはそぐわないけど、これまたフラッシュバックされるのは『稲中(行け!稲中卓球部)』…」

 

一同 「あ〜ぁ」

 

さ「稲中のマエノの行動が、長男見てると思い出されるんだよねー。男の子のバカさ加減。だって、ホントに、机の上におちんこ乗っけたりするんだもん」

 

一同・大爆笑

 

I「男子ってすごいね。もう別の生き物だってよくわかった。生まれたときから全然違うんだ…。さて、最後に。こどもと生きる上で、本は読めば読むほど、いいと思いますか?」

 

N「ほどほどに、って感じかな」

 

I「みっちゃんは!?」

 

E「そう聞かれてみると、前回挙げた本は、実は日々生き合宿での土田先生の講演会記事まとめたじゃない? あのときまとめながら、これどういう意味かな?ってわからない箇所や知りたいことがあって、調べるために読んだ本も多いんだよね。だから今さらだけど、この本が子育てにオススメです!とは言えないかも(笑)。より深く知りたいのであれば…という本かな」

 

N「それもよくわかる。仕組みというか、発達のことをよくわかっていないと、いろいろなこともわからないし、気づけないのかな、と思うこともある」

 

E「そうそう!」

 

N「最初、脳の発達がなんとか〜みたいな本を読もうとするんだけど、読みきれなくて終わっちゃった…ということが何度もあったから、やっぱり知りたい!とか目的があるときに本を読むのが一番うまくいくよね」

 

Y「本を読むとさ、客観的に思える。親子の密接した関係を、ふっと距離を置いて見られる。私さ、今、こういう小さい人を育ててんだ、とかさ。他人の視点が入ることで、距離が置ける。この感情を置いておいて、少し観察しよう、とか。読書っていう時間もよさもあるのかもね。私は今までそういう余裕がなかったから。今、皆の話聞いて、ああ、そういう人の本、読んでみたい!と思ったし、改めてそう思う」

 

I「親子の関係だと、自分の考えだけになってしまって、そこに他の人の考えや意見が入ると、ふっと楽になるし、道筋ができるというか、選択肢も増える気がするね」

 

Y「簡単に言うと、あ、他の子もそうなんだ!とかね」

 

I「それはつまり、日々生きを始めたきっかけと一緒なのかも知れない」

 

Y「一緒かもね」

 

N「情報や知識が入るだけでね」

 

E「ナカノさんも『ほどほどに』って言ったけど、こう書いてあるから、こうしなきゃ!みたいになってしまうのが一番危険で、いろんな本を読んでいくことで、自分の中のキャパシティが増えていくものと考えたい」

 

Y「与えて、与えて、与えての毎日だと本当に疲れるじゃん。やっぱり本って大切だよね」

 

E「そういう意味では、中島デコさんているじゃない!? 『生きてるだけで、いいんじゃない』っていうエッセイ集があって、そういう感じだったかも。力抜いて子育てしましょうみたいなことが書いてあった」

 

I「私もいわるゆ子育て本じゃないけど『窓ぎわのトットちゃん』は大切な本だよ。こどものときも読んでいるはずなのに、最近読み返してみたら、大人の自分にぐっときた。トットちゃんが通っていたトモエ学園が今もあったなら…と何度も思ったよ」

 

一同「へぇ」

 

I「こどもはね、みんな、そのままでいいんだよって思わせてくれたんだよねー。みっちゃん、前に子育てで影響を受けた本に『センス・オブ・ワンダー』も挙げてたよね」

 

E「そう、まだ結婚もしていない時に友人がくれた本で、冒頭、著者のレイチェル・カーソンが姪の息子(赤ちゃん)を毛布でくるんで、嵐の砂浜に連れ出すのね。ただ黙って海辺に立って、自然の音や空気を楽しんでるシーンから始まるんだよね。本当の自然の中で感じたり考えたりして育んでいくこと、そこを目指してる。ときとして、そういうところに行ったり、環境にいたりして」

 

N「みっちゃんはワイルドな旅に出てるもんね」

 

I「そうね、子育ての本でなくても、こどもと暮らす上で影響を与えてくれる本はあるよね。ほかにもあるかな?」

 

一同「あるはず…」

 

I「じゃぁ、スカイプ会議はここまでにして。みんな、よい本があったらメールで教えてください!」

 

 

 

★ 後日★

YASUDA

桐島かれんさんのパートナーであり写真家の上田義彦さん写真集
at Home

かれんさんと子どもたち4人の家族の日常を撮ったもの。
かれんさんの日記も妙録。
単に桐島かれんが好きで買ったんだけどね。
家族の「ほほえみ」が映っている。
美しい母、かわいい娘たち(三姉妹)、4番目に生まれた坊や。
ファインダー越しに存在する父。
4歳近くまでおっぱいあげてたりとにかく抱っこしてあげるとか
ナチュラルな子育ても共感、かなあ。

あんまり感想という感想が言えないけど、
視点を変えると赤ちゃんと一緒の時期って写真集ですら
家族もの、子育てに関わるものを買ってたってことかしら。
関心が狭いよね、ある意味。
出産後とか小説とか読む時間もないけど、興味もないというか。
特におっぱい中は実務(子育て)に関わるものしか興味なかったな。

 

 

IKEDA

谷川俊太郎詩集

みんなの谷川俊太郎詩集

谷川俊太郎さんの詩集。
なにもかもが愛おしくなる。

 

 

NAKANO

おべんとうの時間

写真家を阿部了さん、文章を阿部直美さんというご夫婦が日本中を旅しながら
いろいろな人のお弁当を見せてもらって、お弁当の先にある
それぞれの人生観や日々の生活などを紹介していくっていうもの。
いろいろな生活、いろいろな楽しみが、
ホントに人それぞれで面白かった。
妊娠中にお弁当の取材を始めて、出産後は子連れで
取材現場に行っていたという夫婦、家族の関係もいいな、と思った。