引っ越して来て1ヶ月くらい経った頃から、5歳の長男がうわごとのように「カニ釣りたい、カニ釣りしたい」と言い出した。
「カニ釣り」なんてどんなもんか想像もつかない都会っ子の母ちゃんは、「かにねー、釣れたら食べたいなー」と相当テキトーに聞き流してた。
東京と高知を行き来してるおばあちゃんは、「いつか北海道に行ったら釣れるよ、北海道行きたいね。将来は漁師になる?」とか言って話しが大きくなりすぎてるし。
そんなこんなでクリスマス前、待ちに待った父ちゃんが高知へやってきた!年末年始のいつもより少し長いお休みで。
男三人はさっそく近所にある鏡川に遊びに行った。そしてなんと、「鏡川でカニが釣れるんだよー!」と興奮して帰って来た。
そういえばいつも釣りをしているおっちゃんたちがいる。彼らはボラを釣ってそれをえさに蟹をとるんだそうだ。
なんと!こんな近くで夢のカニ釣りができるなんて!!!
それからはボクちゃん、頭の中はカニ釣りのことでいっぱい。
枝に釣り糸つけてスルメをえさに鏡川へ通う日々。お正月に高知へ遊びに来たもう一人のおばあちゃんも連日のカニ釣り。
(1、2匹いてスルメ食べたりしたけど捕まえるまではいかない…)
さらにここからドラマは始まった….
お正月休みも終わり保育園が始まると、保育園にある図鑑にカニを釣る仕掛けがあった!と言っては仕掛けの作り方を必死に覚え、母ちゃんにペットボトルやトイレットペーパーの芯を所望し、休みの日に自分で作ってみたり、(↓こんなの)
同じクラスの仲良しのお友だちがカニを釣ったことがあるんだって!てことでますます盛り上がり、こうなるともう寝ても覚めてもカニ釣りのことでいっぱい。
お友だちと一緒に釣りに行こうと約束し、初めて手紙も交換した。
(↓お友だちからもらった手紙)
そして返信を書き、
日々思いは募り、絵も描いた。
一度は約束の日が雨で流れ涙し、とうとう母さん同士も携帯番号を交換し、連絡を取り合い、ついに「カニ釣りランデブー」が実現したんでした。
前日に近所の釣り道具屋で網を買っていざ出陣!
当日は曇っていてとっても寒くて、カニは1匹もいなかった。
教えてもらったところによると、5,6月頃、もう少し上流に子どもたちが川遊びをしてカニが採れるスポットがあるんだそうだ。
カニは釣れなかったけど、
字を書き、絵を書き、物を作り、友情を育み、親を動かし、いろんな初めてを経験していく姿に母ちゃんはカンドー。
そしてこの寒い時期にカニがいないのを知っていたのに、何も言わず来てくれたお友だちのお母さんにもじーんときた。
やりたいことがあったら子どもって何でもできちゃうんだね。
暖かくなったら一緒にカニ釣りしようねって約束した。
その頃には別々の小学校に通ってるね。
ちなみに、長男の憧れの男No.1は、鏡川で釣りしてるおっちゃん!
釣ったボラをワイルドに解体して「カニのえさにしな」ってくれてる図↓
尊敬のまなざし。君たちもきっとこんなおっちゃんになれるぜー。