育児に役立った本
Ikeda(以下I/長女2歳) 今夜の編集会議は「育児に役立った本」をテーマに話ましょう。メンバーはサトエ(ヤスダ) 、みっちゃん(エンドウ)、ナカノさん、私の4名ね。こどもの身体の育ちや健康に関する本って、みんな、読んだかな?
Yasuda(以下、Y/長男6歳・次男3歳)読んだよ、ほとんど第一子のときだね。妊娠中にまず読んだのは自然出産のバイブルと言われる大野明子先生の『分娩台よ、さようなら―あたりまえに産んで、あたりまえに育てたい』」
I「明日香医院の大野先生の本ね」
Y「そう。長男が逆子だったから、この本の逆子を治すっていうページに「逆立ちしておしりフリフリする」するって書いてあって、みんなに心配されながら、一生懸命家で逆立ちしておしりフッってたよ(笑)」
I「私は妊娠がわかって一番最初に行ったのが明日香医院だったよ。結局、そこに通うことは叶わなかったけれど、すごい人気だよね」
Y「映画『ガイアシンフォニー』に出産シーンがあって、その舞台が明日香医院らしいんだよね。妹がたまたまその映画を見て『お姉ちゃん、こういう出産があるらしいよ』って教えてくれたのが始まり。で、すぐ明日香医院に電話したけれどもういっぱいで、妊娠わかってすぐに連絡しないともう無理で、そうか、“助産院”ってあるんだーと思って調べて出会ったのが松ヶ丘助産院。地元の中野だったしね。その助産院つながりでいうと、最近松ヶ丘の宗先生が出された本で『安産力がつくナチュラルなお産の本』に、私も先輩ママとしてちょこっと参加していまーす」
一同「へー!」
Y「高知への引越し間際だったから、写真も送れなかったくらいだけど、ライターの人とやりとりしてたよ。レシピとか妊娠・出産・赤ちゃんまでの松ヶ丘の子育てノウハウが満載からね。妊婦さんにはオススメ。それから長男産んでから、山西みな子先生の…
Endo(以下、E/長男3歳)&I「ハイ、ハイ!」
Y「あ、ふたりともご存知の(笑)、山西先生の本はたくさん読んで参考にしましたね。『母乳で育てるコツ』とか『自然育児のコツ
』とかね。あとは、大葉ナナコさんのオイルマッサージにしばらく通ったから、彼女の『’ゆるむ’育児のすすめ 出産~1歳・赤ちゃんも私もハッピーになる
』も読んだかな」
Nakano(以下、N/長女6歳)「Satoeちゃんは妊娠中からたくさん本を読んでたんだね」
Y「知りたいと思ったらとことん調べるタイプだからね(笑)。あっ。あとこれも…『子どもが幸せになる6つの習慣 (子どもたちの幸せな未来ブックス)』。耳が痛い話がいっぱいあるんだけどね。東城百合子さんから、毛利子来さん、幕内秀夫さん、陰山英男さん、真弓先生まで、蒼々たるメンバーがいろんなテーマで子育ての習慣を語ってるの。耳が痛いなりにいい話があるよ」
E「時折読み返したりする?」
Y「うーん、そういう意味では東条先生の『家庭でできる自然療法』が一番読み返すかな。」
E「えっ? 読んでるの? 何かあると調べるんじゃなくて?」
Y「大事なところに付箋貼っておく。まずあれを見ちゃうな」
I「うちも夫がそう。」
Y「マメくん…笑」
I「何もなくても、読んでるからね、彼は。もう小説読んでます!みたいな顔しながら、普通に熱中して読んでるよ(笑)」
E「私はこどもをお医者さん連れてって、薬をもらってきてから、あの本を必ず開くかな」
一同「わかるー!」
E「仕事もあるし忙しいから、なんとかして治さなきゃって思うじゃない?」
I「まず病院に連れて行って病状を知って、あ、風邪なのね、とか喉が腫れてるのね、って知った上で自然療法の本を開くことは多いな。病気はプロに任せるところは任せて、治すための手段はある程度、自分たちで考えたいと思うな」
N「受診はするけど、薬飲まないケースもあるもんね」
E「ねぇ、話はもどるけど、サトエさんも母乳のことで悩んだの?」
Y「悩んだよー。私は反応がすぐ出やすくて。出過ぎちゃうし、食べ物に反応するから、乳腺炎何度もやってる」
E「それで山西先生の本を読んだの?」
Y「いや、松ヶ丘助産院入ってすぐ。松ヶ丘で教えてもらって読んだのが最初。何度もやっているからある種手慣れたもんで(笑)、お芋かゆくなりやすいので、強烈だけど豆腐パスターで冷やして、葛根湯飲んで、ってしてたな」
N「葛根湯?」
Y「そう、乳腺炎に葛根湯が効くの」
E「私は逆に母乳が出なかったのか、出てたのかもしれないけれど、息子の体重が増えなくって、病院や検診のときにミルク混ぜろ混ぜろって息子が生まれて半年間ずっと言われ続けたんだよね。半年経ったときに今の保育園に行って、園長に山西先生の本を教えてもらって、あーこんな方法があるのかって知ったの」
Y「おっぱいの作り方もいろいろあるんだよね。新陳代謝が活発な人だと、母乳にほとんど影響がなかったりとか」
I「新陳代謝かぁ。そうだよね、血液だもんね」
Y「ミモレット食べたときなんて、もうすぐにカチーンッ!ってなった(笑)。そうなると、菜っ葉とごはんだけの食事にしたりね。玄米も絶対に食べちゃいけないし」
Y「私はうなぎを食べたときがすごかったなー」
I「私も山西先生のところには行ったよ。山西先生が亡くなられたあとで、その当時は親戚の方が診療されてたけど。」
Y「職場復帰するときに、自分の気持ちを整理したくて1回だけ行ったかな」
I「私も。搾乳の仕方を教わりたくて行った」
Y「でも山西先生ご自身にお会いしてみたかったなー」
I「また話が戻るんだけど、サトエは助産院で出産したじゃない? みっちゃんは?」
M「私は成城の成育医療センターで。年齢が年齢だし、夫の職業(医療系)もあって、ここが安心!って。」
N「私は育良クリニック。当時は代官山にあったんだよね」
I「私もナカノさんの真似して、育良(笑)! そこでスエヨシミキちゃんに出会ったのよね。でも今日話を聞いてて、どこで出産するかって改めてすごく大事だね」
N「そうだね。先生の言うことも全然違うだろうし、出会う本も違うもんね」
E「私の場合、完全に保育園に出会ってからだもん。園長にいろんな本を教えてもらったな」
I「みっちゃんは本当にたくさん本を読んでるよね。その中から厳選して教えて」
E「えーと、妊娠してる友達にプレゼントするのは山西みなこさんの『自然育児のコツ』。それと佐々木正美先生の『0歳からはじまる子育てノート―エリクソンからの贈りもの
』。人間関係とか親子について書いてある。最近読んで読み返してよかったのは、斎藤公子さんの『生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て
』。これをこどもの合宿のあとに読み返したの。進化の話をあらためて勉強したな」
I「中野さんのお嬢さんが通っていた園でも、みっちゃんちも、斎藤公子さんの保育を取り入れたところだよね。斎藤先生は例えば幼児期は早期教育よりも人間としての土台、生きるチカラを大切にする考え方よね」
E「そう、斎藤先生の『さくらさくらんぼ保育』では“リズム”というのをするんだけど、リズム感がいいね!のリズムじゃなくて、いわゆる生物の進化のおけるリズムで、それに合わせた体操があるんだよね。同じ斎藤先生の『子育て=錦を織るしごと』は絵本の選び方とかね、すごくよかったよ」
I「うん、うん。私もこの本は大事だな」
N「斎藤公子さんと言えば、私はこれ!『子育て・織りなした錦―乳幼児の発達の可能性は果てしない』!」
E・I「ん? 織りなした?」
E「あ〜もしかしてそれは我々が読んだものの、前のなのかな?」
N「ううん、続編。錦を織りなすように育った子たちがどうなったか?が描いてある。2006年に出版された本だから最近の本だね」
I「『錦を織る』は1982年が初版みたい。」
N「まだ読み終わってないんだけど、ちゃんと読みたいなと思ってる本。うちは小学校1年生になったから、保育園での土台がこれからどうなっていくか、それが今気になるな」
E「難しい本ばかりで悪いんだけど『脳は出会いで育つ』、小泉英明先生の著書。“神経系は3歳までで80%育っちゃう”と言うでしょ!? それがわかりやすく書いてある。例えば産まれたばかりのネコを縦縞の線の中に入れておくと、縦縞は認識できるけど横縞は認識できなくなっちゃうんだって。神経細胞がそれを必要としないから、必要なことだけの神経細胞が育ってね、ケージの中に今度は横縞のように線を入れた向こうにごはんを置いたとしても、脚が引っかかっちゃって行けないの」
一同「へー」
E「そういうことができあがる時期を臨界期っていうらしいんだけど、何歳までにそれをやっちゃうとそうなっちゃうとか。そんなことが書いてある。人間の赤ちゃんに片目だけしばらく眼帯付けてると、育っていくなかで眼帯を付けていた目が弱視になっちゃうのと同じで、神経系は臨界期といういわゆる期限があるからそれまでに育ててあげなきゃいけない。学術的な内容なんだけどね」
I「娘の通っている園の園長先生も小泉先生の本を薦めてくださったよ。『乳幼児のための脳科学―DVDブック子どもたちは未来〈別巻〉』っていう本」
E「読むと“いかにその時期が大事か”ってわかるよね」
I「うん」
E「小泉先生がさっき紹介した『生物の進化に学ぶ乳幼児期の子育て』にもわかりやすく書いるよね。進化については井尻正二さんの『ひとの先祖と子どものおいたち (みんなの保育大学)』かな」
I「ナカノさんはさっきのお話にもあったけど、お嬢さんが小学生になりましたよね」
N「そうなの。だからいわゆる幼少期向けの本は今、出てこないんだけど…あっ、広木克之先生の『手をつなぐ子育て―思春期を見通して』は読んだな。幼少期に自由に遊ぶことの大切さとか、早期教育はよくないよねとか。こどものときはやっぱり五感を磨くのが大事だよね、とかね。この本には、娘が小学生になって、これから先も参考になるようなことが書いてある」
E「読む本の傾向は変わってきた?」
N「そうだねぇ。今の日本の学校や教育に興味があるな。でね、橋本武さんの『〈銀の匙〉の国語授業 (岩波ジュニア新書)』を衝動的に買って読んだの。」
Y「“銀の匙”ってあの銀の匙?」
N「そう中 勘助さんの書いたアレ。この橋本先生は灘高校で3年間かけて銀の匙をひたすら読み込むという国語の授業をしてきた方。楽しく勉強することが大切だっていうお話で、大人の私がワクワクした。学ぶことは楽しいことで、その楽しさが色々な成功に繋がっていくんだよね。今の学校って受け身じゃない!? そうではない、学ぶとは自主性を育むことでもあるんだって改めて思ったな」
I「小学校に入る前に読もう、それ!」
N「最近また読み始めたのが『「生きる力」の強い子を育てる 人生を切り拓く「たくましさ」を伸ばすために (人間性教育学シリーズ)』。」
E「おっ!私も読んだ!」
I「私も読んだよー。一度、ブログにもその本のこと書いたなぁ」
N「あとは『子供の「脳」は肌にある (光文社新書)』も。著者は山口 創さん。この本は読みたいと思って買って、まだ読めてないんです。」
I「中野さん、その本はどういうきっかけで読もうと思ったんですか?」
N「さっき話した『手をつなぐ子育て』を書かれた広木先生の講演を聞きに行ったときに、成長における親と子供の関わり方がよく書かれていていい本だよ、って広木先生がオススメされていたから買っておいたのよね。でもまだ読めていない(苦笑)。うーん、娘がもっと小さい頃にはもっといろんな本を読んでいたと思うんだけど…。今はやっぱり、学校に興味があるかなー」
E「学校も含めて子育てだもんね」
N「そう。小学生になって成長の過程が違ってきてるからね」
E「さっき話に出た『「生きる力の強い子」を育てる』とこの『自由学校の設計―きのくに子どもの村の生活と学習』、重なるところがあるよね!」
N&I「『自由学校の設計』! 持ってるー!」
N「あとこれ!『自由な子ども (新訳ニイル選集)』も!」
I「あ! ニイル!」
E「私はこれ、『恐るべき学校 (新訳ニイル選集)』(笑)。『「生きる力の強い子〜」には『自由学校の設計』を書かれた校長先生の「きのくにこどもの村」の話が一切出てこないじゃない? でね、『生きる力〜』の著者、天外(てんげ)さんのホロトロピックネットワークというのに、私、なんと加入したわけ。で毎月1回冊子が送られて来るのを見ていたら、天下さんはちゃーんときのくにこどもの村に行って、何人かの「これは成功だね!」という例を見て、ただしこれはこういう教育がいいと思った親の子供達が集まっているので、一概に誰でもこの教育を受けたら成功するとは限らないんだけど、みたいなことが書いてあった。で、ああ、やっぱり天下さんときのくにこどもの村は繋がってた!とわかったわけ(笑)。』
N「ホント、こどもにとって何が一番いいかわからないからね〜。親の価値観もあるし、小学生ともなるとこどもの意思が強くなって、ごまかしがきかない。最近娘に「山の学校」「山の学校」「毎日遊べる学校」「遊べる学校」って誘導してるんだけど、全然興味なし! 今の学校が楽しいみたいだね。」
E「それは素晴らしいね!」
N「うん。公立だけど、体育会系でいい学校なんだけどね」
E「お嬢さんにとってみれば、その世界しか知らないからね」
I「山の学校って?」
N「きのくにこどもの村のことだよ。だけど、全然だね……。娘を誘導するタイミングがね、もうちょっと違ったかな〜と感じた。学校でお友だちもできたし、先生のことは好きだし、勉強も楽しいみたいだからね」
E「でも中野さんだって、学校に入ってみて改めて色々思ったわけでしょ!?」
N「そうねー、入ってみて気づいたことわかったことも多かったよね。いいこともあるしね。環境も変わらずね」
E「何よりそっちの方が自然だものね」
N「本人が楽しそうだからこれでいいかな?と思ったりしてね」
E「保育園のある方の一番上の男の子はね、学童がなくなる小学校4年生以降ね、勝手に保育園に戻ってきてたんだって。親は知らなかったみたいなんだけど。そうやって何かあったときに駆け込める場所が地元にあって、今も一緒に畑に出かけたりできる仲間がいて。その繋がりっていいよねーと思いながらも、私もいろいろ考えてるかな」
N「横の繋がりの大切さももちろんあるよね。でもそういうのを排除したところで、マオちゃんもサトエちゃんも宮崎に行き高知に行ったわけじゃない? だからいろいろ考えるところはあるよね」
I「うちはまだ説明してもわからない時期に移ったから、えーと1歳半の頃。だからこそ彼女は今も色々納得できないところというか、理解できていないことがあるまま、大きくなってるんじゃないかと思うことがあるの。なんであの園長がいないの、小僧くんもTくんもいないの?って。だから私は、こどもとちゃんと話ができる時期に移れるっているのは、それはそれで幸せなんじゃないかなと思います。」
Y「うちは、長男はもうわかってるんだけど、次男はね、言葉がわかんない時期とわかる時期の間にいて、すごくおもしろいんだけど、この間も公園でね、“東京っていいなー”とか言って、なんで?って聞いたら、“だってさ、森もないし海もないし川もないしいいなー”とか言うの」
一同 爆笑!
Y「へーって答えながら、でた〜! マイワールド始まった〜!と思って…、あ、ここから先は次回の編集会議にしようか」
I「そうだね。次回はマジメじゃない、まさか!っていう「育児に役立った本」にしよう」
E「近日中にまた話そうね。サトエちゃんの話が続きが気になって眠れいないよ〜(笑)」
N「(笑)ではまた次回。今日はこれにて終了!」